Camecon Magazine

撮影テクニック 2022.09.07

【上級編】知ってると周りに自慢できる写真撮影応用の7構図

基本の構図は分かってきた。 でももう少し印象に残る写真が撮りたい! そんな脱初心者を目指すあなたに、上級編構図を7種類紹介します。 基本の構図と組み合わせることで、さらにステップアップが狙えるはず! カメラ友達にも説明できると頼りにされそうですよ。

写真を撮っても「なにか違う」「ワンパターン化しがち」。

そんな悩みのお助けとなるのが構図です。

前回は「初級編」として、必ず知っておきたい基本構図を12種類紹介しました。

基本が使いこなせるようになったら、さらにステップアップした構図も知りたいですよね。

今回は、上級編の構図7種類を作例付きで紹介します。

初級編を見ていない方は、ぜひそちらも読んでみてくださいね。

写真上級者が使う構図とは?

初心者と上級者が使う構図は何が違うのでしょうか?

上級編の構図は名前も難しくて複雑そう……。

でも、実はベースに超基本が隠れています。

「日の丸構図」「三分割構図」「対角線構図」「三角構図」、この辺りができていないとせっかくの上級編も生きてきません。

上級者や素晴らしい写真は、必ずしも難しい構図を使っているわけではない!

そこを勘違いしないよう、基礎を大切にしつつ上級編構図を見てみましょう。

写真撮影に使える応用構図7選

パターン構図

「パターン構図」は比較的分かりやすい構図です。

同じもの、またはグループが連続した構図で、リズム感が生まれます。


自然では「花・植物」がパターン構図にしやすい被写体です。

ずらりと並ぶ様子は圧巻で、量が多いほどインパクトも大。

コツは、パターン以外のものはできるだけ入れないこと。

せっかくのリズム感が損なわれてしまいます。

同じ物の繰り返しも圧巻だし、その中にアクセントを入れるのも良いですね。

整然と並んだ中に、あえて崩れた部分を作って抜け感を作るのもおしゃれです。

アルファベット構図(C、S字型)

「アルファベット構図」は名前の通り、アルファベットの字形に合わせた構図です。

とは言え、よく見られるのは「C字構図」と「S字構図」の2つ。

「C字構図」の方がシンプルで、テーブルフォトや風景写真に使われます。


テーブルフォトでは、円形の食器の一部を切ることでC字が生まれます。

自然では道路や河川、海岸線など。

写真の中に動きや奥行きが生まれる効果がありますよ。


「S字構図」はC字が2つ重なったイメージです。


切り方によってはC字構図にもできるところ、あえてS字にすることでさらに動きが生まれます。

画面の中に曲線が多いけど、上手くまとまらない!

そんなときは、S字を意識して構図を作ると上手くいきますよ。

対比構図

次は「対比構図」です。

大きさ、色、形、質感など、とにかく対を作るのがポイントです。


作例は、美しく咲き誇る蓮の花と、キュッと閉じた蕾の対比です。

この構図には、お互いがお互いを引き立てる効果があります。

違いがあればあるほど印象に残る写真になりますよ!

主役以外はカットしたり、背景もできるだけシンプルにするのがコツです。

消失点構図(放射線構図)

次は美術で習ったような言葉「消失点構図」です。

真っ直ぐに続く道や線路を眺めると、ずーっと先で1つの点に見えますよね。

その点を「消失点」と呼びます。


道路、線路、廊下、建物、木など、直線を作るものがたくさんある場所には「消失点あり」です。

できるだけたくさんの直線がある方が、視線がそこに誘導され印象的な写真になります。

この直線達を画面の中でどう走らせるか、消失点をどこに持ってくるか。

いろいろ試してみたくなる構図ですね。

黄金分割構図

次は「黄金分割構図」。

だんだん名前が難しくなってきましたが安心してください。

実はこれ超基礎の「三分割構図」とほぼ同じなんです。

「画面内の対角線に、4つの頂点からそれぞれ垂直線を引いた交点」を黄金分割点と呼びます。

今難しくて嫌になりかけました?

でもこの小難しい「黄金分割点」は、三分割構図の4つの点とかなり似ています。

写真を撮る上で、この差はそこまで意識しなくてもいいレベル。


三分割構図とも似た、この4点に被写体を置くと安定した構図になる。

それだけ覚えておけばOKです。

黄金螺旋(フィボナッチ螺旋)構図

最後に「黄金螺旋(フィボナッチ螺旋)構図」を紹介します。

フィボナッチ数列は、映画「ダ・ヴィンチ・コード」の中で使われたことで有名になりました。

このフィボナッチ数列から導き出されたのが「黄金比1:1.618」であり、この比率から描かれる渦巻き型を「フィボナッチ螺旋」と呼びます。

この比率や螺旋は自然界のあらゆる所に存在することが分かっています。

・松ぼっくり

・ひまわりの花

・台風の渦

・DNAの2重螺旋構造

・植物の枝分かれ

歴史的な美術品、建築物もこれに当てはまるものが多く、黄金螺旋に従って構図を作る=「美」であると言えるわけです。


とは言え、あまり細かくきっちり考える必要はありません。

この螺旋をガイドにふんわり配置してみると、上手くまとまると考えてください。

構図にとらわれすぎて、写真が撮れなくなってしまうのは逆効果ですからね。

美しいと感じる感性を大切に

少しステップアップした構図を7つ紹介しました。

知っていた構図もありましたか?

上級編ともなると、構図の通りの撮影はなかなか難しいもの。

でも写真は「構図がすべて」ではありません。

あなたの撮りたい物、伝えたいことを優先して「あれ?ちょっとバランス悪いな。」と思った時に構図を思い出してください。

むしろ「美しい」と思えたシーンなら、きっとそこに構図は隠れているんです。

美しさを感じられる感性を磨きながら写真を楽しみたいですね。