「マクロ」というレンズの種類を知っていますか?
マクロレンズ=接写のイメージが大きいですが、実は他にも使えるシーンがたくさんあるんです。
これからマクロレンズを使ってみたい人のために、マクロレンズの基礎から使い方のポイントまで分かりやすくまとめました。
これを読んでマクロレンズに挑戦してみましょう!
マクロレンズとは?特徴を解説
マクロレンズ最大の特徴は「被写体に近づいて撮影できる(最短撮影距離が小さい)」ことです。
いわゆる「接写」ですが、勘違いされやすいことが一点。
寄って大きく撮るなら望遠レンズでズームすれば同じでしょ、と思いがちです。
でもこれは違うんです。
簡単に言うと、同じ花を撮るにしてもこんなイメージです。
①遠くの花を、近くに寄ったように拡大して写すのが望遠ズーム
②目の前の花を、さらに大きく写すのがマクロレンズ
単純にズームして写すのとは種類が違うんだなと覚えておいてくださいね。
マクロレンズの性能を表す項目は次の3つ。
最短撮影距離:どれだけ被写体に寄れるか
撮影倍率:大きいほど被写体を大きく写せる
焦点距離:標準・中望遠・望遠それぞれ特徴がある
焦点距離による特徴は次で説明するとして、マクロレンズの特徴をまとめておきます。
- 被写体に寄って撮影できる
- 解像度が高く質感の表現が得意
- 単焦点レンズとしても使える
一方、デメリットは以下の通りです。
- オートフォーカスが遅い
- 手ブレしやすい
マクロレンズおすすめの被写体と作例紹介
ではマクロレンズの特徴を活かせる被写体を知って、撮影に挑みましょう!
レンズの焦点距離によって違うので、標準・中望遠・望遠に分けて作例と共に紹介します。
※焦点距離は全て35mm換算での表記です。
標準マクロレンズ:50mm前後
標準マクロレンズは目の前の近い位置にピントが合うレンズです。
被写体と距離を撮れない室内での撮影にも使えます。
また、比較的コンパクトで持ち歩きやすいのも嬉しいポイント。
目の前の被写体とじっくり向き合えるので、花や物撮りにおすすめです。
マクロレンズの被写体として代表的なのは花や植物。
目で見るのとは違った幻想的な世界を切り取れます。
水滴の一つ一つまでくっきり。
ピント調節が肝心なので、三脚を使ってじっくり構図を決めましょう。
次は透明なマグカップの物撮り。
ガラスに差し込んだ光や、影のディテールがとても繊細に表現されています。
これもマクロレンズの得意分野です。
中望遠マクロレンズ:100mm前後
一番使いやすく、マクロレンズ初心者にもおすすめしたいのが中望遠域のレンズです。
ピントの合う距離が数メートル先なので、ポートレートに使いやすい焦点距離。
ポートレート撮影ではこの通り。
背景がふんわりボケた優しげな作品ですよね。
ピントの合う範囲が狭い(被写界深度が浅い)分、美しくボケるのはマクロレンズの特徴です。
これがマクロレンズで撮れるなんて、ちょっと驚きじゃないですか?
そしてもちろん接写だってばっちり。
標準〜中望遠のどれがいいかは、自分の好きな被写体や扱いやすさで決めてOKです。
一番しっくりくる焦点距離を選びましょう。
望遠マクロレンズ:200mm前後
最後は望遠マクロレンズです。
こちらは焦点距離が200mm前後と、かなり遠くの物を撮りやすいです。
被写体から離れて構えることになるので、手ブレには要注意!
三脚は必須アイテムです。
でも望遠マクロは「近寄れないもの」を撮る時にこそ活きてきます。
動物や虫など近寄ると逃げてしまうものは、遠くからじっくり狙う必要がありますよね。
そんなときこそ望遠マクロの出番。
蝶が花にとまる一瞬を捉えた作品。
望遠だからこそ撮れた写真ですね。
こちらは水滴の輝く草むらにいるトンボです。
水滴が前ボケにもなって、背景は緑一色。
その中にトンボが浮き出るようにくっきりと。
マクロレンズだからこそ為せる表現方法です。
気軽に使えるスマホ用マクロレンズ
マクロレンズは気になるけどカメラのレンズって高いんですよね。
高くて手は出せないけど、でも一度は使ってみたい方に朗報です!
実はスマホでも使えるマクロレンズがあるんです。
お値段も数百円〜2,000円程度とお手頃。
なんなら100均にもあります。
一般的なのは、カメラレンズにクリップ式で取り付けるタイプ。
このタイプのスマホ用広角レンズは、実は広角+マクロレンズになってる商品が多いです。
広角レンズのつもりで持っていた人も、実はマクロ機能があるかもしれないので確認してみてくださいね!
(ネジ式でレンズを外すとマクロレンズになるものが多いです。)
スマホ用マクロレンズで撮影した作品はこちら。
マクロレンズの世界感がばっちり表現されています。
スマホ用レンズはとってもコンパクトなので、まずはこれから始めてみるのもおすすめです。
実は幅広く使えるマクロレンズ
「接写」だけではなくポートレートまで使えるマクロレンズ。
いろんな作例を見て「マクロレンズの魅力の半分も知らなかった!」という人も多いのではないでしょうか?
質感やディテールを大切にして物や人物を撮ってみたり、ググッと近寄って幻想的な世界観を演出してみたり。
マクロレンズの活躍の場は無限大です。
じっくりマクロの世界と向き合ってみませんか?